黒猫の三角
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/07/16
- メディア: 文庫
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森博嗣さんの本を読むのは初めてだったんだけど、他のも読んでみたいと思った。森さんの本は、シリーズになっているものが多くて、これはVシリーズというものの一作目らしい。
あらすじは、年に1度決まったルールでおこる殺人事件があった。今年は、桜鳴六画邸に住む婦人小田原静江が殺された。しかも、衆人監視の密室で。事件に関わった、個性豊かな面々が推理を働かせていく。みたいな感じ。あらすじは、普通。じゃあ、何が面白いのと?
森博嗣を何も知らない自分が感じた見所は3つ。
1つ目は、ミステリィだし最後のオチ。ええええええ、マジでぇえええぇえ、うぉい、soy!予想外。
2つ目は、登場人物が個性豊か。不思議な思想の探偵保呂草さんに、エキセントリックインテリ美人の紅子さん、女装趣味武道系大学生小鳥遊(たかなし)君、そして3人に比べると意外と普通な大学生紫子ちゃん。この4人が殺人事件に居合わせ、謎を解いていく。一つの作品にぶっとんだ登場人物は、普通1人くらいだと思うけど、この4人はみんなネジが少し外れている気がした。
3つ目は、会話。僕はミステリィはあんまり読まないけど、正直この話の事件のトリックとかは全く面白くない。というかほとんど言及されない。上記の2点に加え、物語中の会話に魅力を感じた。その魅力は、言葉の綺麗さとかテンポとかではない。思想的な部分。確かに、言われてみるとそんな考え方もある。じゃあ、自分はどうだ?と内省を促される場面がいくつかあった。特に、物語終盤の保呂草さんと紅子さんの会話。
『黒猫の三角』はそんな感じ。
常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。 by アインシュタイン
今日もありがとう。